背中を向け合う夫婦

お悩み相談事例 夫婦が冷めてしまう原因ときっかけ

「昔はあんなに好きだったのに、今は一緒にいても何も感じない」

「夫の顔を見るだけでイライラしてしまう」

夫婦カウンセリングでは、このようなご相談を受けることがあります。

結婚したばかりの頃は、会えるだけで嬉しかった。

一緒に食事をするだけで楽しかった。

ところが、何年も一緒に暮らしているうちに、少しずつ会話が減り、相手への不満が積み重なっていく。

そして、ある日ふと、

「もう、この人のことを好きではないのかもしれない」

と気づいてしまう。

では、夫婦は一体どんなことがきっかけで冷めてしまうのでしょうか?

今回は、実際の相談事例を交えながら、夫婦が冷めてしまう原因ときっかけ、そして「もう一度やり直せるケース」について、夫婦カウンセラーとしてお話ししたいと思います。

【相談事例】子どものために我慢していた夫婦の20年間

先日、50代の女性からご相談をいただきました。

結婚20年目。

お子さんが2人いらっしゃるご家庭です。

相談者の女性は開口一番、

「もう夫のことを好きなのかどうか、自分でも分かりません」

とおっしゃいました。

話を聞いていくと、実は10年以上前から夫婦関係に違和感があったそうです。

ご主人は仕事が忙しく、家事や育児にはあまり協力的ではありませんでした。

奥様が大変なときに「俺だって疲れている」と言われたり、夫婦喧嘩の際には傷つくような言葉を投げかけられたりすることも。

それでも、

「子どもが小さいから」

「子どものために離婚はできない」

と、ずっと我慢してきました。

ところが子どもが成長し、手がかからなくなった頃、奥様の中で何かが切れてしまったのです。

「子どものために頑張ろう」と思っていた20年間。

その我慢が、いつの間にか「夫への愛情」まで奪ってしまっていました。

夫婦が冷めてしまう原因ときっかけ

事例は、決して珍しいケースではありません。

夫婦関係が冷めてしまう原因は、ある日突然生まれるものではなく、小さな不満や我慢が長い時間をかけて積み重なった結果であることが多いのです。

夫婦カウンセリングで、妻や夫に冷めてしまった原因やきっかけで多いのは、次のようになります。

① 不倫した夫(妻)を許せない

浮気や不倫は、もう二度としないと約束し、反省すれば片付く問題ではありません。

  • 裏切られたことで信頼できなくなる
  • 「自分より他の人を選んだ」という傷が残る
  • 何度謝られても疑ってしまう

夫婦間で不信感が湧くと、ずっと先まで埋められない溝が残ります。

不倫問題では、単に「許す・許さない」だけではなく、失われた信頼をどう取り戻すかが重要になります。

 

② 価値観の違い

  • お金の使い方
  • 子育てや教育方針
  • 仕事と家庭の優先順位
  • 休日の過ごし方
  • 親族との付き合い方

こうした価値観の違いも長年塵が積もっていった結果、夫婦が冷めてしまう原因になります。

ただ、 夫婦はもともと別々の環境で育った人間です。 何もかも同じというほうが珍しいですよね。

違いがあって当然。 だからこそ、「どう折り合いをつけるか」が大切なのです。

 

③ デリカシーのない発言

  • 容姿や年齢をからかう
  • 人格を否定する
  • 「誰のおかげで生活できているの?」などの発言
  • 人前でパートナーを馬鹿にする

深い意味はなかったとしても、相手を傷つけているという、その無自覚さがエスカレートするとモラハラと受け取られかねません。

一度なら流せても、繰り返されると「この人は私を大切にしてくれない」という気持ちにつながります。

④ 家事・育児の負担が偏っているのに感謝の言葉一つない

  • 私ばかり頑張っている
  • 夫は何も手伝ってくれない
  • もう何年もありがとうという言葉を言わない

夫の方が仕事量が多く、家事を妻に任せているとしても、たまには手伝ってくれたり、ねぎらいの言葉一つくらいほしいですよね。

やってもらうことが当たり前になると、相手の存在そのものを大切にできなくなってしまいます。

⑤ 長年の我慢

実はこれが非常に多いです。

  • 子どものため
  • 家庭を壊したくない
  • 今さら言っても仕方ない

と我慢を続けているうちに、不満が限界を超え、「もう一緒にいる意味が分からない」となってしまうのです。

夫婦カウンセラーの見解

手を組んで相談に乗る女性

夫婦が冷めてしまう原因を考えるとき、「きっかけ」だけを探してはいけないと私は考えています。

また、カウンセリングをしていて、問題そのものよりも、話し合えないことのほうが問題だと感じています。

不倫、価値観の違い、デリカシーのない言葉、SNSでの比較…。 確かに、こうした出来事がきっかけになることはあります。

でも、その下には、 「もっと大切にしてほしかった」 「分かってほしかった」 「自分の気持ちを聞いてほしかった」 という、長い間言えなかった気持ちが隠れていることが多いのです。

だからこそ、夫婦関係をやり直すなら、表面的な問題だけを解決するのではなく、なぜそこまで相手に傷ついたのかを理解することが大切です。

 

夫婦カウンセリングの有効性

「本当の気持ち」を整理する 夫婦カウンセリングでは、ただ二人を同じ場所に座らせて、 「仲良く話してください」 ということをするわけではありません。

当相談室では、必要に応じて夫婦それぞれと個別にお話をする時間を設けています。

お互いに相手の前では言えない本音があります。

まず一人ずつお気持ちを整理する。

そして、それぞれの気持ちを尊重しながら、少しずつ双方の思いを擦り合わせていきます。

「夫は何を考えているのか?」 「妻はなぜこんなに怒っているのか?」

第三者が整理することで、今まで見えていなかった相手の気持ちが見えてくることがあります。

一番注意したいのは「冷めた」のではなく「諦めた」状態

夫婦カウンセラーとして特に注意したいのは、怒っているうちは、まだ相手に期待している場合があるということです。

「もっとこうしてほしい」
「どうして分かってくれないの?」

という気持ちがあるうちは、まだ関係を変えたい気持ちが残っています。

反対に、

「もう何を言っても無駄」

と何も期待しなくなった状態は、夫婦関係を修復するうえで注意が必要です。

ただし、冷めてしまったからといって、必ずしもやり直せないわけではありません。

原因が「価値観の違い」「コミュニケーション不足」「SNSでの比較」などであれば、お互いの気持ちを整理して話し合うことで改善できるケースもあります

夫婦だけでは感情的になってしまう場合は、夫婦カウンセリングなど第三者を交えることで、「相手を責める話し合い」から「これからどうしたいかを考える話し合い」に変えていくこともできます。

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